「あの日飛び出した此の街と君が正しかったのにね」 −『正しい街』より
![]() | 無罪モラトリアム (1999/02/24) 椎名林檎 商品詳細を見る |
デビューアルバムなのに、
先に引いた「後悔」とも取れる言葉から始まる、「衝撃」作。
その音色も、冒頭から衝撃が走ります。
今更取り上げるまでもない、不朽の一枚ですね。
【効能】
・思春期や、それに似た心の葛藤
【用法・用量】
・寒い冬の日に聴くのが好きです。(特に『正しい街』は)
「しかし何故にこんなにも眼が乾く気がするのかしらね」 −『虚言症』より
![]() | 勝訴ストリップ (2000/03/31) 椎名林檎 商品詳細を見る |
出し抜けに「逆接」から始まるだけあって、内容もまさに「問題提起」作。
音楽はド素人な私が聴いても、否定しようもなく格好良い。
ベース音が印象的です。
(『弁解ドビュッシー』、『サカナ』が特に)
【効能】
・荒れ模様の気分
【用法・用量】
・思春期真っ只中に聴いておくと
あとで聴いても、そのときの気持ちを鮮明に思い出せます。
「何處にも桃源郷が無いのなら、お造り致しませう。」 −『葬列』より
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「こう来るか」と唸らされた、待ちに待った三部作の「完結」作。
彼女にしか造れない「桃源郷」が、待っています。
【効能】
・やるせなさ、絶望感
【用法・用量】
・深夜が似合うと思います。
−椎名林檎/東京事変 | trackback(0) | comment(0) |
「おまえは 毎日なにが楽しくて生きてるんだ?」 −『リフォーム父さん』より
![]() | tsunamix (講談社コミックスキス) (2005/01/13) 海野 つなみ 商品詳細を見る |
『tsunamix』こと、海野つなみ作品集です。
味わいの違う、5つのお話が収録されています。
ここまで「恋愛」の比重が少ない少女漫画は、あまりないのでは?
その内容は
ホラーあり、未来ものあり、リフォームもの(!)あり…
それぞれに楽しめるものばかりです。
「たまごやき」
鶏のたまごではなく、「私」の中のたまごのお話。
それがテーマなこと自体、びっくりですが
女性としては色々と考えさせられるところが多いです。
「読んで良かった」と思える、海野さんならではの作品です。
「奇跡の春」
心に喪失感をかかえて迎えた、異常気象の春。
そんな主人公の前に現れたのは、ひとりの見知らぬ少年。
「そんなの 奇跡だよ」
「奇跡」は起こるのか。そもそも「奇跡」とは何なのか。
海野さんは、「春」を描くのが上手だと思います。
「世界の終わりに君を想う」
「47人の高校生が謎の集団自殺を遂げた…」 −裏面あらすじより
ホラーです。
怖い話苦手な私などは、あらすじだけで怖いです。
そんな事件があり得るの?と、始めはいぶかりましたが
読み進むうちに、あり得るなと思わされる
人間とその集団心理が、恐怖として差し迫ってきます。
このお話だけ、本の小口(背表紙以外の裁断面)が真っ黒。
つまりページの背景がすべて黒いのですね。
これがまた、恐怖を煽ります。
凝った構成が光る逸品です。
「両手に愛をつかめ!」
子供を対象読者としているようでいて、実はとても深い内容を扱っています。
舞台は21XX年、主人公は半魚人と人間のハーフの男の子。
一目惚れした女の子に気持ち悪がられたことで、
普通と「ちがう」ことを初めて感じた、彼がとった行動とは。
個人的にツボだったのが、半魚人のお父さん。登場場面は見ものです。
「リフォーム父さん」
一番のお気に入りです。
テーマは題名のとおり、「リフォーム」。
作中でのリフォーム場面には、実際に使える技もたくさん登場します。
最も心に響くのは、リフォームする人間の「心」の変化。
一つ一つは小さいけれど、積み重ねれば大きくなる
「幸せ」を教えてくれます。
疲れているとき、日常に埋もれてしまっているときに
何度でも読み返したい一話です。
−海野つなみ | trackback(0) | comment(0) |
「なんで こんな奴好きなんだろう」 −第2話「チョコレートホリック」より
![]() | Kissの事情 (講談社コミックスアミ) (1997/12) 海野 つなみ 商品詳細を見る |
キスにまつわる5つのストーリーをおさめた
極上のスイートオムニバス。 −裏面あらすじより
極上のスイートオムニバス。 −裏面あらすじより
残念ながら、今では絶版となっている一冊です。
どのお話も素晴らしいので、是非とも再販して欲しいもの。
電子媒体では、複数のサービスで復刊されているようです。
Yahoo!コミックにて立ち読みもできます。('08年1月現在)
高校を舞台に、5つのキスが堪能できます。
それぞれに趣が異なるお話なので、どれかに恋におちるはず。
【第1話】 「the kiss of life」
交通事故で半記憶喪失となって、中学までの記憶しかない主人公。
いわゆる「高校デビュー」をしていたらしいのに、全く記憶にありません。
思い出せないキスの記憶は、一体?
主人公は表紙の彼女。
個人的に、設定からして惹かれたお話です。
【第2話】 「チョコレートホリック」
一番のお気に入りの、珠玉の作品。
題名の、チョコレートホリックにかかっているのは「彼」、男性のほう。
冒頭にも引いた
「なんで こんな奴好きなんだろう」
甘いもの好きな「こんな奴」とのキスは、どんな味なのか。
元々は、『回転銀河』に収録される予定だったとか。
それだけに、一筋縄ではいかない「愛情のかたち」に触れられます。
【第3話】 「花」
♪ 春のうららの 隅田川
その題名は『花』なのに、よく『春』と間違えられていますね。
このお話も同様に、「春」とも呼べるものです。
作品全体に、春の「勢い」を強く感じます。
できれば心のそわつく春先に読みたいもの。
【第4話】 「少年人魚」
この一冊の中で、一番の「問題作」。
海野さんの短編集、『tsunamix 2』にも再録されているので、
容易に購読可能です。
そして続編の「クエーサー」は、『回転銀河(4)』で読むことが出来ます。
これは、「少年人魚」よりももっと「問題作」と言えるでしょう。
好き嫌いは分かれるのかも知れませんが
どちらに転んでも、読後感が後を引くことは間違いありません。
【第5話】 「夏の日」
舞台は高校ですが、主人公は中学生。
高校で催された水泳大会での出来事は、年若い分、青く切ないです。
登場するキスは、全話のなかでも特別なもの。
小さな感動を覚えます。
−海野つなみ | trackback(0) | comment(0) |
「わたしの一日」 −掲載話・題名より
![]() | Kiss (キス) 2008年 1/25号 [雑誌] (2008/01/10) 不明 商品詳細を見る |
『回転銀河』、連載再開です。おめでとうありがとう!
以下、17話の内容ネタばれしています。ご注意ください。
また一部、『回転銀河(3)』の内容も含みます。
−海野つなみ | trackback(0) | comment(0) |
「うちの学校には 美しき双子の悪魔がいる」 −帯見出しより
![]() | 回転銀河 3 (3) (2005/01/13) 海野 つなみ 商品詳細を見る |
「美しき双子の悪魔」と囁かれる、
兄・優と弟・賢の天野兄弟。
この双子の魅力に、やられてしまいました。
ですので今回は、登場する第9話と第11話について書き散らかします。
以下、台詞など激しくネタばれしています。ご注意を。
−海野つなみ | trackback(0) | comment(0) |
「わたしたちは、秘密の恋をしている」 −裏面あらすじより
![]() | 回転銀河 1 (1) (2003/08/08) 海野 つなみ 商品詳細を見る |
表紙と題名を見た瞬間に、面白いと「確信」した一冊です。
はじめに、作品全体について少し触れておきます。
『回転銀河』は、
「いろんな人達のいろんな愛情」を主題とした、オムニバス作品です。
一巻につき四話、収録されています。
ある高校を舞台に、組・学年の枠を超えて
さまざまな愛情が生まれ、交錯し、そして連鎖していく模様を、
年月を経ながら描かれていきます。
オムニバスなので、
主要な人物のエピソードが複数の視点から描かれたり、
番外編的なエピソードが登場したりします。
そしてこの一巻は、『回転銀河』シリーズの中でも
特別な雰囲気をまとっています。
もちろん続刊もとても面白いし、どれも大好きなのですが
ある要素において、抜きん出ていると感じさせられるのです。
それは何だろう、と考えてみたところ
純粋さゆえの、心の
「痛さ」
「危うさ」
「きわどさ」
ではないか?という結論に至りました。
たとえば、第一話「イノセント・インセスト」は
その題名“incest(近親相姦)”のとおり、姉弟愛についてのお話です。
しかし、「禁断愛」と言える主題それ自体にではなく、
その愛情に至る心の機微に、「痛み」や「危うさ」を感じるのです。
(実際、描かれている愛情は、禁断と言うにはあまりにも純粋です。)
では、具体的にはどんな「痛み」や「危うさ」なのか。
逃げ出したくなるような苦い思い出、
性の芽生え、
見てはいけないものを見てしまったこと。
それらに伴う感情が、とても心に痛い。
それは、普段は心の奥底に隠していたり、
いつの間にか忘れてしまっているかもしれません。
でも、確かに自分にも覚えがある感情だからこそ、
えぐり出されるとき、「痛み」を覚えるのです。
そんな「痛み」「危うさ」「きわどさ」に、心揺さぶられはしますが
読後に残るのものは「希望」です。
だからこそ、後味の良さを感じるのです。
貴重な一冊だと思います。
この一巻には、作者の海野さんの気迫も感じられます。
「あとがき」によると、
なかなか連載が実現しなかった作品のようですし、
「この話を作った時、『これは私の20代の代表作になる』」と感じたとも
書かれています。
その気迫が実を結んだ、海野さんの著作の中でも
突出した「尖った」魅力のある本になっているのではないでしょうか。
(著作全部は読んでいないので、生意気いえませんが)
最後に、絵柄について。
海野さんの描かれる絵は、シンプルで独特です。
さっぱりした、見慣れるほど好きになっていく種のものだと思います。
特筆したいのは、横顔の美しさ。
絵の表面的な美しさ、というよりは、なにか内面的な美しさを感じさせます。
ですので、その横顔が描かれている表紙は、美しく魅力的です。
やっぱり、ジャケット買いに間違いはなかった!
−海野つなみ | trackback(0) | comment(0) |
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